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ストレスと弛緩
2016年03月02日 16:23
あらゆる生命体(原子、分子も)はストレスと弛緩のバランスのうちに存在している。知能発達は、予測不可能の未知(ストレス)に踏み込み、それを同化、消化して、予測可能の既知(弛緩)に組み込むことの反復から成り立っている。未知のものと同化や適応が起こるたび、弛緩状態の範囲は広がる。弛緩の範囲が広がれば広がるほど、予測可能な基盤が与えられ、より大きなストレス(未知の世界)へ入り込んでいく能力が高まる。身体の協調、意思決定、新しいデータの転送、新たな調整、これらは全て、その仕事に見合った警戒態勢(ストレス)を必要とする。車の運転に慣れた者は、脳の自動パイロットに仕事を引き継ぐので、運転しながら考え事をした
ストレスが知能を発達させる
2016年03月02日 15:53
人間の脳には約100億のニューロン(思考細胞)がある。だが、知能の良し悪しはこの細胞の数に影響されるわけではなく、これらの細胞を結ぶ回路の数による。1つのニューロンは他のニューロンと繋がる連結回路を多ければ1万持つが、ほとんどない場合もある。1つの細胞は、直接、間接も含めると約60万もの他の細胞と連結できる。回路が多ければ多いほど、脳の演算能力は増大する。ストレスは知能の発達方法だ。ネズミに1日に20分ずつ電気ショックを与えると、ネズミのシステムは、その感覚情報を処理し、調整し、適応しようとする。その結果、学習と記憶に役立つ蛋白質が肝臓と脳に大量に生産され、ニューロン間におびただしい量の新たな
ストレスの必要性
2016年03月02日 11:37
人間は、自分の周囲で起こっている出来事の結果が大体わかっているときは、かなり受け身のままリラックスしている。ほんの限られた感覚情報だけ持ち、ごくたまに外界に関わればよい。感覚は、休みなく周りの世界の情報を報告してくるが、これも単調で退屈なものになってくる。人生のかなりの時間は繰り返しであって、どんなことでもしばらく繰り返されると意識の端から消える。繰り返される感覚情報の編集を脳の自動プロセスに任せるのだ。このように我々大人は、最小限の感覚情報でやっていける日常を手に入れることに生活の大半を費やす。しかし、知能は、予測可能の既知から予測不可能の未知へ進むことによって発達する。未知の物事は、脳シス
発達段階にふさわしくない学習は歪みを生む
2016年03月01日 14:30
成長期の子供に、当人の発達段階にふさわしくない要求をすると、(もっと後の段階にふさわしい情報や体験を無理に学習処理させたり、いつまでも前の段階に子供を縛り付けておこうとする事)子供の発達はほぼ停止してしまう。その時子供は、学習は難しくて苛立たしいもの、何の益にもならない物だと学ぶ。より後の段階に適した要求に子供が答えられたとしても、時期が早すぎたため、知能が歪んでしまったりする。例えば、大人の価値観や意見などは、子供が相当成長してしまってからのものである。小さな子供に大人の抽象的思考を尚早に押し付けると、後年、その子のものを考える能力を歪めることになる。10歳くらいまでは、身体と精神の両方で、
生涯の学習の基礎
2016年03月01日 14:20
幼児はあらゆる相互作用から学習する。そしてこの学習方法は、将来全ての学習の基礎となる。幼児、児童、青少年、成人たちが何を学習しているか、また、何を学習してきたか見分ける唯一の基準は相互作用である。その子供、人物は相互作用ができるか?それとも攻撃的か?人々が攻撃に走るのは、単に性格が歪んでいるということではない。自分たちが実際に学習してきたことを表現しているのだ。
運動が知能発達の基礎を作る
2016年03月01日 13:57
小さな子供のどんな動きも、脳システムの中に、その動きやその動きと結びついた感覚情報に関するパターンを生み出す。例えば、新生児の手足を親が動かしたとする。それが赤ん坊の自発的になされたものでなくても、その体の動き自体がその能力に対応する活動パターンを脳の中に生み出す。このように、親の勝手で始められた操り人形的な動き(首を座らせたり、お座りをさせたり、物をつかませたり)も、充分繰り返されれば、赤ん坊自体の能力になり、そういった刺激を受けていない赤ん坊に比べると数か月早く開始され、完成される。感覚と運動を結ぶ脳パターンが自動的に完成されるのだ。知能は、予測不可能な未知のものと出会ってこそ発達する。例
相互作用はエネルギーを増幅させる
2016年03月01日 13:30
相互作用とは二つの力がそれぞれエネルギーを増幅させながら互いにエネルギーを交換することをさす。普通の行為は一方通行なエネルギーの動きである。例えば、木を切る時、切る側はエネルギーを消費するが、木からそれに見合うエネルギーをもらうことはない。エネルギーを流出する時、我々は必ず消耗する。だが、真の相互作用では『決して疲れることがない』。相互作用を通して、知能は相互作用の能力を高める。自然や、季節の移り変わり、人間、極端な対照、災害、ありふれた言葉のやり取り、これらはみな本来楽しむべき相互作用の体験であり、相互作用の能力をさらに高める学習のチャンスでもある。人間の知能はそれが何であれ可能な限りあらゆ
内なる知恵を信じよ
2016年02月29日 15:43
30億年かけて我々に伝えられた遺産は本当に素晴らしいものである。我々に与えられた約束は無限である。この生物プランは大事に育てなければならない。その為に、この生物プランの存在をまず認め、学ばなければならない。6歳前後で我々はこのプランについて知り、素晴らしい興奮と楽しい期待に満たされる。その後、そんな期待を裏切る何か別のことが起きるのだ(学校教育)その間違いはあまりに深いところまで根を張り、強化され、増幅しつつあるので、あの深遠な知識はもはや手の届かないものになってしまった。我々はもう一度、あのパーソナルパワーの火をともす必要がある。自分自身と自分の生命を信じることによってのみ、子供(あるいは自
生物プランの失敗
2016年02月29日 15:27
生物プランの成功は、子供が原衝動に対してしかるべき対応物を与えられるか否かにかかっている。しかるべき対応物とは、子供の成長段階に見合っているもの、ということだ。自然のもたらす原衝動が、適切な対応物ではなく、‘‘不安に駆られた親や文化が生み出す意図的なもの″と出会ってしまうと生物プランは破壊される。相互作用は、対応物と原衝動が釣り合っているときにのみ起こる。不適切な対応物も反応は生み出すが、知的成長の助けにはならない。原衝動と対応物が釣り合わない関係を強いられると、子供は不安を抱く。すると、マトリックスとの相互交流やパーソナルパワーの発達が損なわれたままで次の成長段階がやってくる。子供の相互作用
幼児期の世界観の形成
2016年02月27日 16:26
幼児期に起こる5つのマトリックス変換を辿ってみよう。子供が長期間親に依存するのは、生存への不安など、心理的、感情的、感傷的な理由からではない。脳システムの発達の為である。母親は、赤ん坊の世界であり、力であり、可能性であり、安全な場所なのだ。生物プランにより、幼児は生後8~10か月にかけて、母親について知るための身体能力が与えられる。この重要な仕事が達成すると、幼児は母親からゆっくり離れ、今度は、周囲の世界を探索するために必要な身体能力が与えられる。母親が全面的に信頼できる安全な場、すなわち、いつでも必要な時にそこに戻り、養ってもらえる場所でない限り、幼児はその探索をうまくやってのけることができ
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