なぜ人間の子供は成長が遅いのか
2016年02月23日 14:36
ほとんどの動物は生まれてすぐ立って走ることができる。
しかし、人間の子供の自立までの道のりは長く、その進歩は遅い。
他の種の動物に比べても無力な状態の期間が長い。
その理由は真皮質にある。
もし我々が古い脳だけを使って活動するなら(生まれた当初はそうであるが)人間も下等動物と同様、本能的で知性も論理も持たず、創造性も個人の人格もありえない。
しかし、人間には新しい脳が与えられている。
この脳のプログラムに時間がかかるのだ。
赤ん坊の新しい脳、将来のコンピューターは白紙である。
人間の乳幼児の依存期間が長いのは、ゼロから世界に関する知識を組立て構造化しなければならないからだ。
古い脳システムの中に伝わる潜在能力を、
新しい脳が、現実に役立つ知識として構造化して初めて、
我々は意思決定を行うコンピューターを持ち、
柔軟な行動をとれるようになるのだ。
古い脳の潜在的可能性から新しい脳の現実性への移行は、
乳幼児の体の筋肉の活動を通して行われる。
古い脳が、子供の身体の動きを命令し、作動させる。
子供は、この古い脳に促されて(駆り立てられて)
地球上の物質と『相互作用』し、因果律に出会う。
こうして子供の知識体系は無限で多様な可能性の中から組み立てられていく。