全ての災いは自然に逆らうことによって起こる
身体の成長は、脳の発達に伴う要請に完璧に対応している。
知能を十分に発達させるためには、この生物プランの存在を認め、
これと協調していかなければならない。
そうすれば、現在我々が抱えている子供に関する問題の多くは解決する。
というのも、問題の多くは人為的なものであり、
自然のはからいを無視したことにより起こっているからである。
同じ指紋の人が二人といないように、
知能の発達を司る遺伝的プランも各個人特有のものだ。
だが、人間の子供のほとんどは本質的に同一の脳のメカニズムを持って生まれてくる。
IQ(知能指数)の高さは遺伝であると思われてきたが、
そうではなく、環境条件、特に家庭での養育状態と密接な関わりを持つ。
知能も身体同様、傷ついたり、育てられたり、刺激を受けたり、
飢えたりするのである。
知能の発達を妨げるものは自然によってふるい落とされてきた。
自然は失敗のプログラムを組まず、成功のみをプログラムする。
自然はまた、親の側にも正しい教育活動ができるようプログラムを組み込んでいる。
自然がプログラムできないのは、子供を育てる上での親の側の失敗である。
自然は、新しく生を享けるどの脳にも最大限の可能性をプログラムしている。
「どんな子も潜在的な天才なのだ」
というと馬鹿馬鹿しく聞こえたり、残酷に響くかもしれない。
だが、現在の統計的基準を、その子にとっての標準だとか、自然な状態だとか考える方がよほど馬鹿げてるし、はるかに残酷である。