幼児期の世界観の形成
幼児期に起こる5つのマトリックス変換を辿ってみよう。
子供が長期間親に依存するのは、
生存への不安など、心理的、感情的、感傷的な理由からではない。
脳システムの発達の為である。
母親は、赤ん坊の世界であり、力であり、可能性であり、安全な場所なのだ。
生物プランにより、幼児は生後8~10か月にかけて、
母親について知るための身体能力が与えられる。
この重要な仕事が達成すると、幼児は母親からゆっくり離れ、
今度は、周囲の世界を探索するために必要な身体能力が与えられる。
母親が全面的に信頼できる安全な場、すなわち、いつでも必要な時にそこに戻り、養ってもらえる場所でない限り、幼児はその探索をうまくやってのけることができない。
マトリックスである母親が、絶対自分を見捨てないことが分かった時に、初めて幼児は児童期に入っていくことができるのである。
生物プランは、子供が地球というマトリックスの知識を構築する間、全面的に母親に依存するように定めている。
この世界観の構築の完成には約7年かかる。
そうして子供は7歳前後になると、探索活動の基盤であった母親の依存から機能的に離れ、安全な場所として地球へ移るよう自然ははかっている。
その後、地球との相互作用により、
パーソナルパワーに関する構築へと向かう。
【パーソナルパワー】
7歳から11歳までの間に子供はパーソナルパワーを身に着ける。
地球との相互作用により、自己というマトリックスについての知識を構築する。
自立がこの時期の目標である。
この世界の中でいかに生きていくかを学ぶのである。
このパーソナルパワーの発達によって地球から自己へのマトリックス変換の準備は整う。
【思春期】
我々は思春期までに自分自身がマトリックスになるよう定められている。
最終的に、自らがマトリックス、すなわち力と可能性の根源、立つべき安全な場所とならなければならない。
その後、生物プランは我々を第五のマトリックス変換(抽象的思考)へと駆り立てる。
その時、心と脳は身体から機能的に分離するものとされている。
【最後のマトリックス】
成人後のある時点で最後のマトリックス変換が起こる。
心が脳に働きかけ、そこから過去の体験を自由にコントロールすることができる。
こうして、自我意識はもはやいかなる具体性にも依存せず、左右されることもない。
我々が生きている限り、母親は、例え我々が彼女から離れより大きなマトリックスに移っていくとしても、主要なマトリックスであり続ける。
我々の全生涯を通じ、地球は全てのマトリックスである。
最後のマトリックスに到達し終えた後も、
心は脳から、脳は身体から、身体は地球から、常にエネルギーを引き出している。
大きくまとめると、我々には、二つのマトリックスがあるだけだ。
子宮、母親、地球、身体、という物質的なマトリックスと、
思考という抽象的なマトリックスだ。
我々の全生涯は誕生の連続なのだ。